頑張るメンタリティーとは

 人に霊魂があるとしたら、もしかしてそれは、人形(ひとがた)をした発光体ではないか、と思っている。かくいう私は、メンタルな病を発症し、大学は出たものの、恋人をつくり家族を持つとか、一生続けるべき仕事を見つけるなど、人生の大目標を何ひとつ達成できていない。私の発光体は、手先がなかったり足先がなかったり、首の上がぼんやりと消えかけていたりと、満足な人形とはいえない格好をしているのではないか、と思うのである。

 私は、物書きとなるべく修行しているところだ。還暦を間近にしての奮起であった。空想を廻らし、様々な思いを書き記し、ひいてはそのことによって、自己実現していこうと思っている。世に出ようと考えているのだ。 

 今もこうして机に向かっている。物を書いて思いを遂げると、発光体はその分だけ、完全な人形へと近づく。寝る間も惜しんで、原稿と向き合う毎日である。友人に、「その気持ちをどうやって保つのだ」と聞かれる。私には、はやくまともな人形を得たい、という強い思いがある。その欠乏感が、やる気の原動力となっているのである。  了


2019/03/03

小倉一純

近藤健 先生  

 先年、随筆春秋の近藤健先生は、30年近い東京生活を仕舞われ、故郷の町のある北海道へ戻られた。大手石油販売会社の本社を離れて、現在はその札幌支店に勤務されている。ご家庭の事情で転勤願いを出していたのだ。近藤健先生は、会社員と文筆家の二足の草鞋を履いた、日本一のサラリーマン作家である。

 一昨年縁あって、随筆春秋の同人となることを許された私は、10編近い作品を、札幌の近藤先生に添削していただいた。「よく書けています!」と寸評があるものの、原稿をめくるとそこかしこに朱が入っている。努力して勉強していくうちに、赤ペンの個所はだんだん少なくなっていき、私にとってそれが何よりの励みとなった。

 先日、近藤健先生よりこのホームページへコメントをいただいた。――機が熟し、花開く日を楽しみに待っております(その一部を抜粋)……と記されていたのである。感動!

 その近藤先生が師と仰ぐのが、随筆春秋の大御所でもある、作家の佐藤愛子先生である。

◆作品集 こんけんどうのエッセイ

(小倉一純)

私の作品集 since2016

第24回 随筆春秋賞公募 奨励賞 第13回 文芸思潮 エッセイ賞 第3次選考通過 第23回 随筆春秋賞公募 奨励賞 作文ist / さくぶニスト 小 倉 一 純

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