頑張るメンタリティーとは

 人に霊魂があるとしたら、もしかしてそれは、人形(ひとがた)をした発光体ではないか、と思っている。かくいう私は、メンタルな病を発症し、大学は出たものの、恋人をつくり家族を持つとか、一生続けるべき仕事を見つけるなど、人生の大目標を何ひとつ達成できていない。私の発光体は、手先がなかったり足先がなかったり、首の上がぼんやりと消えかけていたりと、満足な人形とはいえない格好をしているのではないか、と思うのである。

 私は、物書きとなるべく修行しているところだ。還暦を間近にしての奮起であった。空想を廻らし、様々な思いを書き記し、ひいてはそのことによって、自己実現していこうと思っている。世に出ようと考えているのだ。 

 今もこうして机に向かっている。物を書いて思いを遂げると、発光体はその分だけ、完全な人形へと近づく。寝る間も惜しんで、原稿と向き合う毎日である。友人に、「その気持ちをどうやって保つのだ」と聞かれる。私には、はやくまともな人形を得たい、という強い思いがある。その欠乏感が、やる気の原動力となっているのである。  了


2019/03/03

小倉一純

同人誌 随筆春秋 などのご紹介

同人誌 随筆春秋 は現在3人の先生方からご指導をいただいています。

◆作家 / 直木賞受賞・紫式部文学賞受賞など

 佐藤 愛子先生 …… 代表作品:小説『戦いすんで日が暮れて』『血脈』『晩鐘』など

◆テレビドラマ / 演出家・プロデューサー・映画監督など

   堀川とんこう先生 …… 代表作品:TBSテレビドラマ『岸辺のアルバム』『モモ子シリーズ』『松本清張シリーズ』など

◆脚本家 / 旭日小綬章受章・紫綬褒章受章など

 竹山 洋 先先 …… 代表作品:NHK大河ドラマ『秀吉』『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』など 

◆ 小倉 一純 の師匠 ⇒ 近藤健 先生(作家 佐藤愛子先生の愛弟子)

 先年、随筆春秋の近藤健先生は 30 年近く続けた東京生活を仕舞われ、故郷の町のある北海道へ戻られた。大手石油販売会社の本社を離れて、現在はその札幌支店に勤務されている。ご家庭の事情で転勤願いを出していたのだ。近藤健先生は、会社員と文筆家の二足のわらじを履いた、日本一のサラリーマン作家である。

 2017 年、縁あって随筆春秋の同人となることを許された私は、10 編近い作品を札幌の近藤先生に添削していただいた。「よく書けています」と寸評があるものの、原稿をめくるとそこかしこに朱が入れられている。勉強していくうちに赤ペンの箇所はだんだん少なくなっていき、それが私にとって何よりの励みとなったのである。

 先日、近藤健先生よりこのホームページへコメントをいただいた。―― 機が熟し、花開く日を楽しみに待っております(一部を抜粋)…… とつづられていた。感激である。

 その近藤先生が師と仰ぐのが、随筆春秋の大御所でもある 直木賞作家の 佐藤愛子先生 なのだ。

◆近藤健先生 作品集 ⇒ こんけんどうのエッセイ(プロフィールページ)