神の救いが必要な男

 母が昨日、聖イグナチオ医科大学病院を退院した。といってもわずか1泊2日の入院だったが。とりあえず右の眼に、単焦点のレンズを入れてもらったのである。保険の効く白内障の手術だ。数週間後、もう片方も同じこの病院でやってもらうことになっている。

 聖イグナチオというぐらいだからキリスト教系である。受付にはいつも年配のシスターがこちらを向いて座っている。その受付を目指して歩いていると、横にあるスターバックスに、かつてのスター歌手・朱里エイコを思わせるような女性の姿があった。立派な脚をふとももまで出したミニスカートである。後光(ごこう)の射すような光景に私の目は釘付けになった。ややあって正面を向いたとき、このシスターと目が合ってしまった。

「ミニスカートの女性をじッと見つめてしまいました」

 私がとっさに懺悔(ざんげ)のようなことを口走ると、

「殿方が若い女性に関心をもつのは、悪いことではありませんよ」

 とシスターの言葉が返ってきたのである。

 私はとても清らかで安らかな気持ちになることができた。こういうのを救われる思いというのだろう。

 ―― 私は、神の救いが必要な男である。


2019.08.17

小倉一純


同人誌 随筆春秋 などのご紹介

同人誌 随筆春秋 は現在3人の先生方からご指導をいただいています。

◆作家 / 直木賞受賞・紫式部文学賞受賞など

 佐藤 愛子先生 …… 代表作品:小説『戦いすんで日が暮れて』『血脈』『晩鐘』など

◆テレビドラマ / 演出家・プロデューサー・映画監督など

   堀川とんこう先生 …… 代表作品:TBSテレビドラマ『岸辺のアルバム』『モモ子シリーズ』『松本清張シリーズ』など

◆脚本家 / 旭日小綬章受章・紫綬褒章受章など

 竹山 洋 先先 …… 代表作品:NHK大河ドラマ『秀吉』『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』など 

◆ 小倉 一純 の師匠 ⇒ 近藤健 先生(作家 佐藤愛子先生の愛弟子)

 先年、随筆春秋の近藤健先生は 30 年近く続けた東京生活を仕舞われ、故郷の町のある北海道へ戻られた。大手石油販売会社の本社を離れて、現在はその札幌支店に勤務されている。ご家庭の事情で転勤願いを出していたのだ。近藤健先生は、会社員と文筆家の二足のわらじを履いた、日本一のサラリーマン作家である。

 2017 年、縁あって随筆春秋の同人となることを許された私は、10 編近い作品を札幌の近藤先生に添削していただいた。「よく書けています」と寸評があるものの、原稿をめくるとそこかしこに朱が入れられている。勉強していくうちに赤ペンの箇所はだんだん少なくなっていき、それが私にとって何よりの励みとなったのである。

 先日、近藤健先生よりこのホームページへコメントをいただいた。―― 機が熟し、花開く日を楽しみに待っております(一部を抜粋)…… とつづられていた。感激である。

 その近藤先生が師と仰ぐのが、随筆春秋の大御所でもある 直木賞作家の 佐藤愛子先生 なのだ。

◆近藤健先生 作品集 ⇒ こんけんどうのエッセイ(プロフィールページ)

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