房総君、お大事に
前略 佐藤愛子先生は毎年夏になると、いまはもう築 45 年になる浦河町の別荘で静養されます。浦河はご存じの通り、北海道は襟裳岬も近いサラブレッドの町です。
私の師匠、随筆春秋の近藤健代表(日本一のサラリーマン作家) は隣町の様似の出身です。やはり佐藤愛子先生とは縁があるんですね。いまは東京に本社のある会社の札幌支店に勤務されています。道産子に戻って7年くらいが経ったところでしょうか。余計なことですが――、50 代に入ってからは新しいパートナーとも巡り合い、有意義に過ごされています。代表は僕らと同じ世代で、今年還暦を迎えます。何しろ文筆家ですから、私生活のこともみな書いて発表してしまうわけで、こちらから伺う必要もないのです。
浦河(うらかわ)町、様似(さまに)町、襟裳(えりも)町、広尾(ひろお)町、の4つが襟裳岬の先端付近にある町々で、いま観光地として売り出すためにひとくくりになっているんですね。僕は学生時代は北海道で過ごしたというのに、この4つの町の位置関係を最近になって知りました。
9月になるとミンククジラを追って釧路に出向く房総君と佐藤愛子先生とは入れ違いという態(てい)ですね。尤も釧路市と浦河町では結構距離があるんでしょうが。(実は房総君と佐藤愛子先生は遠縁の間柄である)
ところで僕の住む神奈川県の対岸である鋸南(きょなん)町をはじめ、いま千葉は大変なことになっていますね。房総君の南房総市が最も被害の大きい地域なのでしょうか。そんな中でも亀田総合病院は、ガラスは少々割れたものの、電気も点いて、病院としてきちんと機能しているんですね。驚きました。自家発電や燃料の軽油などの備蓄も万全だったんでしょうね。普通は大きな病院でも自家発電の燃料は2~3日で底をついてしまうらしいですから。
なにか援助をと思っても、そもそも宅配便の事情はどうなっているのでしょうかねえ? お身内の方々は如何ですか。とくに暑さは一番耐えがたいのではないでしょうか。
昨年の9月は札幌の函館君も北海道大地震の被害に遭いました。函館君は「炊飯器はガスだから白飯ばかり喰ってたよ~」といっていました。電気は止まったけど都市ガスは大丈夫だったのです。彼は学生時代から少しのん気なところがありましたね。随筆春秋の近藤代表もやはり地震に遭っています。函館君と同じ札幌在住ですから。房総君は昨年の釧路で北海道大地震の揺れを体感し、その後は図らずも休暇となったとか。北海道のビジネスはストップしてしまいましたからね。貴殿のブログで読みましたよ。房総君もたまには函館君に会いますか。
日本はもう災害列島ですね。
ところで、僕が心配しても仕方ないのですが、日本では貴殿の仕事である鯨の、商業捕鯨が可能になったというのに、毎日行くスーパーでは、鯨の大売り出しなどする気配もありません。売り出しをやったとしても、いまどきの食べ盛りの世代には、鯨といっても訴求力がないんでしょうね。
では、とにかくご自愛ください。房総の社屋や自宅の方は被災していませんか。ではお大事に。本日はこの辺で……。
草々
2019.09.01
小倉一純
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