女医の早宮さん

 早宮さんという女医がいて、フェイスブックの友達登録も済ませている。この早宮さんというのは、実は私の高校時代の同級生で、同じ硬式テニス部の仲間でもあった。還暦も迎えて、何十年か振りでフェイスブックで言葉を交わしたのがうれしくて、私は調子に乗ってタメ口を利いていた。

 すると早宮さん、私とは関係のない別のスレッドでコメントしていた。

「私、このあいだ区役所へ行って、早宮さんって呼ばれてたんだけど、ぜんぜん気づかなかったの」

「……」

「だって、私いつも早宮先生って呼ばれてるでしょ。だから早宮さんって声をかけられると、どうしても自分のことだって思えないのよ」

 それからしばらくすると、やはり私と友達登録を済ませた福助君が、早宮さんにコメントを送るとき、必ず「早宮先生」とやるようになっていた。彼女にとっては福助君も、私と同じ高校の同級生である。彼は会社ではものすごく出世しているらしい。

 さすがの私も学習して、昨日フェイスブックで「早宮先生」とやってみたら、予想以上に機嫌のよい返事が返ってきた。


2019.09.26

小倉一純


同人誌 随筆春秋 などのご紹介

同人誌 随筆春秋 は現在3人の先生方からご指導をいただいています。

◆作家 / 直木賞受賞・紫式部文学賞受賞など

 佐藤 愛子先生 …… 代表作品:小説『戦いすんで日が暮れて』『血脈』『晩鐘』など

◆テレビドラマ / 演出家・プロデューサー・映画監督など

   堀川とんこう先生 …… 代表作品:TBSテレビドラマ『岸辺のアルバム』『モモ子シリーズ』『松本清張シリーズ』など

◆脚本家 / 旭日小綬章受章・紫綬褒章受章など

 竹山 洋 先先 …… 代表作品:NHK大河ドラマ『秀吉』『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』など 

◆ 小倉 一純 の師匠 ⇒ 近藤健 先生(作家 佐藤愛子先生の愛弟子)

 先年、随筆春秋の近藤健先生は 30 年近く続けた東京生活を仕舞われ、故郷の町のある北海道へ戻られた。大手石油販売会社の本社を離れて、現在はその札幌支店に勤務されている。ご家庭の事情で転勤願いを出していたのだ。近藤健先生は、会社員と文筆家の二足のわらじを履いた、日本一のサラリーマン作家である。

 2017 年、縁あって随筆春秋の同人となることを許された私は、10 編近い作品を札幌の近藤先生に添削していただいた。「よく書けています」と寸評があるものの、原稿をめくるとそこかしこに朱が入れられている。勉強していくうちに赤ペンの箇所はだんだん少なくなっていき、それが私にとって何よりの励みとなったのである。

 先日、近藤健先生よりこのホームページへコメントをいただいた。―― 機が熟し、花開く日を楽しみに待っております(一部を抜粋)…… とつづられていた。感激である。

 その近藤先生が師と仰ぐのが、随筆春秋の大御所でもある 直木賞作家の 佐藤愛子先生 なのだ。

◆近藤健先生 作品集 ⇒ こんけんどうのエッセイ(プロフィールページ)

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